第37回 価格は誰が決めるのか?(3)

<価格を決めるのは誰か?>

前回確認しましたが、価格を決めるのは市場ですね。

しかし、価格を設定するのは売り手です。

 

価格の設定は難しいですが、重要なテーマです。

 

コストに自分が欲しい利益を足したものが適正な価格なのでしょうか?

実は、これはうまくいかない価格設定の方法です。

 

なぜでしょうか?

 

それは、価格設定の判断基準が売り手にあるからです。

 

実際、その価格に見合う価値がそのサービスにあるのかどうかを判断するのは、

貴方ではありません。

 

つまり、価格を設定するのは「売り手」ですが、

根本的に価格を決定するのは「買い手」であるお客様なのです。

 

エアコンクリーニングを1台50,000円と設定しても

予約が入らなければ価格を決定したとは言えません。

 

だから、コストがいくらであっても、儲けがいくらであっても、

買い手のお客様にとって、それは何の意味も無いのです。

 

お客様が購入するかどうかの判断基準は、

そのサービスが、

価格に見合った価値があるのかどうかだけです。

 

買い手が価格決定の主導権を握っているのです。

 

<3つの価格設定方法>

企業の価格設定には3つの方法があります。

 

1つ目は「コスト志向」の価格設定。

2つ目は「 顧客志向  」の価格設定。

3つ目は「 競争志向  」の価格設定。

 

1つ目の「コスト志向」の価格設定は、原価に一定の利益を加えて価格を設定する方法です。

2つ目の「顧客志向」の価格設定は、消費者の感覚にもとづいて、価格を設定する方法です。消費者に受け入れられる価格が先に決定され、その後に利益計算がついてきます。

3つ目の「競争志向」の価格設定は、競合他社の価格を基準として自社の価格を設定する方法です。

 

マーケティングにおける価格戦略では、お客様の感じる価値に見合った価格設定を行うことがポイントになります。「お客様ありき」の発想が不可欠なのです。

 

また、実際のコストとお客様の感じる価値は異なります。

企業にとって、価格の下限は「コスト」ですが、上限は「お客様の感じる価値」です。

 

お客様が感じる価値を高めれば高めるほど、高い価格設定が可能になります。

他社と同じサービスでは高い価格設定はできません。

 

<高級ホテルのコーヒーはなぜ高い?>

このように、顧客志向で価格を設定してゆくと

「価格競争になり、利益が出なくなるのでは...」

という不安にかられます。

 

それは、同じサービスで考えているからです。

前回まで「需要と供給の関係」を確認する時に、商品は全て同じものとして考えていました。

しかし、実際には同じサービスは一つもありません。

 

池上彰さんは「なぜ高級ホテルのコーヒーは値段は高いのか?」という話をしています。

要約すると以下のようになります。

帝国ホテルやホテルオークラのコーヒーは1000円以上します。

なぜこんなに高いのでしょうか?都内の一等地だからでしょうか?

 

いいえ。近くにドトールはあります。

 同じ一等地ですが200円でコーヒーが飲めます。

 

では、なぜ1000円以上するのでしょうか?

 

⇒1000円以上でも飲みたいと思う人がいるから1000円以上で提供するのです。

 

では、なぜ1000円以上も払ってコーヒーを飲むのか?

 

⇒それは、高級ホテルの雰囲気の中でコーヒーを飲みたいと思う人がいるから。

 そのためなら1000円以上払っても良いと思う人が大勢いるからです。

 

もちろん、帝国ホテルやホテルオークラの出す1杯のコーヒーのコストはドトールと同じではありません。しかし、価格が高くてもそこに価値があれば需要はあるのです。

 

つまり、くらしのマーケットにおいても、

「お客様が感じる価値」を高めれば、高い価格設定が可能なのです。

 

そのためには、

価格を決めるお客様に対して

サービスの本来持っている価値を明確に伝える必要があります。

 

もう一度、貴方のお店にしかない価値を見つめ直して下さい。

そして、その価値をお客様に伝わるようにお店ページに書きましょう。

 

 

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